塚理のひとり言⑧ (2016年12月) 塚理のひとり言① (2020年12月)

■塚理の想い①(2020年10月)


これからの塚の公約や挑戦はホームページや新聞にて今まで以上に発信してまいります。

∼疫学、公衆衛生学の研究者として、新型コロナウイルス対策に取り組み中∼

 「PCR検査の拡充と言われるが、実施基準はどう考えたらいいのですか?」等、多くの新型コロナウイルス感染症関連の質問を日本各地の市長や議員の方々から問い合わせをいただいてきました。私は市議会議員の職務を行う一方で、疫学、公衆衛生学、予防医学を専門分野として研究を行っている医科学の研究者でもあります。偶然にも、政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の副座長の尾身茂先生の後輩になり、自治医科大学大学院でご教授をいただいたことや、大阪府の疫学調査の不備を指摘したことにマスコミの皆さんから注目をいただいたことからも問い合わせを多くいただくことになりました。

 本市の福岡市長からも多くのご相談をいただき、4月下旬から国や大阪府より早くに独自の政策提言を行い、職員の皆さんと取り組むことで、①インフルエンザワクチン予防接種補助、②オンラインによる妊産婦相談、③茨木版PCR検査センターの設置、④医療機関等への独自支援等を9月議会までに実現できたものも多くあります。現在も大学院の医局から国内外の新型コロナウイルス感染症関連の文献が流れてきます。今後も行政側と情報を共有し、専門的な知見を活かし、本市の新型コロナウイルス感染症対策の一助に役立てればと考えています。

 この度、現在私が研究をしている医療改革の内容が大阪維新の会の政策公約と合致し、これを実現することが茨木市民のためになると考え、私の理念や政策に一番近い、大阪維新の会に軸足を置き活動することを決めました。また、大阪市立大学院でご指導いただいた上山信一先生(大阪府特別顧問、東京都特別顧問)からは「学んだことを大阪維新の会で活かしたらどうか」とのお声掛けも頂いています。


*独自提言について

 4月下旬より、新型コロナウイルス感染症と季節型インフルエンザの重複感染について、福岡市長と話し合いをし、「市内の特定の方々(高齢者や大きな基礎疾患を持たれている方、妊娠希望者、小児等)にインフルエンザワクチンの優先接種や接種補助を行うことはどうか?」と提言を致しました。すぐに市長自ら、ワクチンメーカーまで足を運んでいただき、ワクチン確保の交渉までいただきました。その結果、8月上旬に(9月議会上程予算)大阪府よりも早くに高齢者へのワクチン無償化及び小児へのワクチン接種補助が予定されていました。後に大阪府が高齢者へのワクチン接種無償化を打ち出す運びになり、本市では小児へのワクチン接種補助を引き上げるに至りました。

 また、茨木版PCR検査センターの設置についても5月下旬に、「本市独自での設置について、医師会の先生方との話し合いを行い、独自検査基準やマニュアルを作成すべきではないか?」との提言を致しました。これをもとに医師会の先生方と話し合いをいただき、設置に至りました。


*大阪府の疫学調査について

 本年5月末に加藤前厚生労働大臣が東京、大阪、宮城において無作為抽出での新型コロナウイルス抗体検査にて疫学調査を行うと発表しました。私も「まず敵を知るべきである。」との考えで、全国での無作為抽出の抗体検査をすべきであると以前から言っていました。当初は、やっと疫学調査が行われると見守っていましたが、少々首を捻る事態になりました。

 宮城と東京は住民基本台帳を用いて無作為抽出にて検査対象を選び、その後、応じていただける人に抗体検査を行う(各3000人)。一方で、大阪は、健康(健活)アプリを用いて、手上げ方式の募集にて検査対象を選び、抗体検査を行う(3000人)。

 大阪府の場合、①大阪府の調査はスマホを持っている人しか応募ができない(スマホ保有率は未だ100%ではない。)。次に、②スマホをもっていてもアスマイル(健活アプリ)をインストールしているのは大阪府の人口約882万人中、約6万人であること。また、③健活アプリをわざわざインストールして使われている人は、健康に対して普段から意識が高い人ではないかということ。そして、④対象選定が手上げ方式の応募であること。これらの4点からバイアスがかかっているのではないかと疑問を感じ、大学院の疫学専門教授に事の次第を確かめると、大阪の手法にはバイアスがかかっていることが確認されました。

 調査結果は、宮城は一番抗体保持者が少なく、東京は約0.1%、大阪は0.17%の結果になりました。この3つの地域の疫学調査と言われる取り組みが、今後の新型コロナ対策の目安と言われ、あたかも同じ調査がなされた結果として報道がなされたことに、私は、議員という職務かつ研究者として、この問題に対して、国、地方の議員や首長、マスコミも何の疑念も持たれないのか不思議に思い、いくつかのマスコミに問い合わせをしました。ある大手新聞社とテレビ局の担当記者はこの調査が異なる背景でされていることも知りませんでした。また、ある大阪府担当記者は、知事が「スマホなんてみんなもっている。882万人中5万人近くが応募してくれたから問題ない。」と言われ、その後、知事に質問をぶつけることができなかったとのことまで聞きました。

 私は、この調査に国税が多額に使われていることも気になりましたが、ここで示されるようなデータをもとに今後も新型コロナウイルス感染症への対策や政策が決められてしまうことの不安が一番大きくあります。京都大学ips研究所の山中教授が、「科学から政治にフェードすることを懸念する。」と以前に発言されていましたが、このことを身近に感じる事象でした。科学の結果を政治家が責任をもって政策的判断することは政治家の役割でありますが、政治のために科学が捻じ曲げられてしまうことはあってはならないと考えています。

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