子どもは大人の… 体や命はみんなの…

■子ども達にやさしい街はお年寄りにも優しい街

   ─ 北欧の街つくり ─

子ども達に何を残してあげられるのか?

 私は、大学院で公共政策を勉強してきました。その中には各国での政策の勉強もあり、私は北欧の政策は大変素晴らしいものと考えています。

 北欧の政策と聞くとイメージするのは、「高福祉・高負担」のイメージだと考えます。
私も恥ずかしながら、大学院で北欧の政策を勉強するまでは「高福祉・高負担」だから制度が維持できると考えていました。しかし、勉強すると、私達が義務教育で教えられていた北欧諸国の政策やイメージは全くの誤りであることがわかりました。私達が学校で教えられた北欧のイメージは先に述べたように「高福祉・高負担」があり、観光産業で維持している国のイメージが先行していたと考えます。しかし、現実は日本よりも大変豊かなテクノロジー立国であり、「高福祉・高負担」の情報は正しくないこともわかりました。

 では、北欧諸国は日本とどのように異なっているのでしょうか。
まず、北欧諸国が日本に比べて「高福祉」ということは言わずもがなです。では、例として、日本の年収700万円世帯とスウェーデンの年収700万円世帯を比較してみましょう。
税金だけをみると、日本は140万円、スウェーデンは210万円という状態でスウェーデンは高いという話になります。しかし、可処分所得(自由に使えるお金)は日本では403万円、スウェーデンでは490万円になるのです。
 皆さんは計算が合わないのではないかと思われるでしょう。
日本では、固定家計費(子どもを塾に通わせるなどのお金)や社会保険料(民間の生保や損保などのお金)で158万円もの支出をしているからなのです。スウェーデンではこれが一切いりません。その分を税金で確保し教育や福祉に充てているのです。

 今、世界中でも北欧の教育レベルの高さや高福祉は有名になりました。この数字を見て、本当に日本は税金が安いから福祉や教育が良くないのは仕方ないと言うことが納得できるでしょうか。

 なぜこのようなことになっているのでしょう。
それは、日本は少子高齢化がわかっていても公共事業での土建事業に多額の税金を投入し、土建国家を維持しようとしました。私も人口体系がピラミッド型の高度成長期であれば土建国家の維持も可能だと考えますが、少子高齢化で逆ピラミッド体系の日本では北欧と同じく福祉国家への舵取りをしなければならないところを、政府が選挙で有利になる方向へ突き進んでしまったのが一番の原因と考えます。

 国の方向性を変えないと、市町村が政策でできることは限られていますが、茨木市を小さな北欧国として企業誘致の際にもテクノジーを駆使する福祉産業を誘致することや、お年よりと若年層の相互助け合い制度などを創ることは可能ではないかと考えます。
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茨木市議会委員 塚 理(つか さとる) Copyright (C) 2009 Tsuka-Satoru All rights reserved.