■塚のひとり言(2012年11月)


塚 理(つか さとる)
街頭演説のようす
・変えなきゃ議会!

 「議員って日常何をしているの?議会は何をやっているかよくわからない。」「活動が見えない。」「議員定数や報酬が多すぎる。」「議会なんていらない。」
 皆さんから8年間いただいてきた声の一部です。4年前に茨木市議会にても「議会改革をすべき!」との声が高まり、全議員の同意の下、議会改革への一歩を踏み出しました。
 そして本年9月議会には議会基本条例が制定されました。その一方で、私は、「行政改革は効率性を高めるものであるが、議会改革はどうしたら地域民主主義を実現できるのか?」「議会改革は議会が自ら動き出すことが、まず大きな一歩ではあるが、市民の側にも動いてもらわないと議会は変わらない。」との考えから、関西で初めて議会改革フォーラム(市民と議員の条例づくり交流会議in関西〜議会は何をするところ?〜みえる議会・わかる議会・いかす議会)を昨年2月に茨木市で開催させていただきました。関西各地から多くの方々に参加いただき、「議員って仕事してるんやね。議会に興味を持てた。」との声を多くいただくことができました。
 これからも私は、皆さんが少しでも興味がもてる議会、関わることができる議会を目指し活動します。

・議員報酬、議員定数問題

 私は、現在の議員報酬や議員定数問題については、もっと大きな視点で考えるべきだと考えています。
 まず、議員報酬や議員定数の削減や議会改革は、地方と国ではどちらが進んでいるでしょうか?それは、地方議会の方が何十倍も進んでおり、自らの身を削ってきました。
 また、身分保障がなされているのは、地方議員と国会議員のどちらでしょうか?
 それは、国会議員です。地方議員の位置づけは、公務員特別職とありますが、非常勤の扱いです。よって、級与ではなく報酬の位置づけになります。国会議員は、正規職になるため、様々な経費が支給され、給与のかたちで支給が行われます。
 よく、「議員はボランティアでするべきだ!」とのご意見をいただきます。しかし、今の日本のおまかせ民主主義でボランティア議員を実施した場合どうなるでしょうか?
 専門家の多くは、「現在の日本の民主主義を見ると、自治会長をくじ引きで選んでいるようでは、議員になる人は出てこないだろう。」「イギリスのある街では、ボランティア議員制度にしたところ、議会に出てこず、自分の仕事を優先するようになった。一方で、一生懸命議員の仕事をする議員は、自分の仕事をそっちのけで議員の仕事をしたため、生活保護を貰わざるをえなくなった。」そんな事例をよくあげています。
 確かに、時代にあっていないような報酬は見直すべきだと考えます。また、増税などで皆様に我慢をお願いする際には、議員自ら、まず身を削るのは最もです。
 しかし、一方で考えなければならないのが、ある一定の身分保障をしなければ、様々な有能な人材が政治の現場に出てこないのも事実です。
 身分保障の仕方には様々な方法があると考えます。?定数を少なくする代わりに、議員報酬をきちんと確保し、任期中は専業にする。もしくは、?議員定数は多いが、議員報酬は少なく、任期中の兼業を認め、サラリーマンの場合は全ての企業において休職制度を義務付ける。などの保障をする必要もあるのではないでしょうか?
 また、多くの方がご存じないのは、議員は首長と違い、退職金はなく、年齢や期数関係なく、昇給もありません。若い方や働き盛りの方がサラリーマンを辞めて、議員にチャレンジしたところで、自身の生活が成り立たない状況で議員の仕事に専念できるでしょうか?私は、生活に余裕がある人しか議員にチャレンジできない状態にはしてはならないと考えています。そして、多くの真面目に仕事をしている議員は、頑張ろうとして活動をすればするほど自らの生活費の持ち出しになり、自分の生活を削らざるを得なくなるのも現実です。会社では経費でおちるものでも、地方議員には経費も交通費もありません。結局、地方議員の多くが、兼業せざるを得なくなり、片手間でも仕事ができると認識されてしっているのが現状であり、「地方議員は、何をしているか見えない。→現状がわからない。→高給。→片手間。→定数・報酬削減すべき。」の負の連鎖になっているのです。

次回は、政務調査費の問題について、ひとり言を書きます。お楽しみに。
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